※九州に広く伝わる昔話、ごんざ虫。
日本人の主食おこめを食べる米くい虫・穀象虫がモデルになったお話。人間の際限のない欲は身を滅ぼす結果になるという教訓を描いたお話。
昔、あるところに年老いた父親とその息子夫婦が住んでおりました。
三人は貧乏でしたが一生懸命はたらいて、なんとか生活をたてておりました。
ところが、父親の徳兵衛が病気になってしまいました。
一生懸命、看病しましたが貧乏なため薬もかえずお医者もよべないので徳兵衛の病気はなかなかよくなりません。
息子の源吉は、思い余ってとなり村に住む金持ちの叔父のゴンゾウのところへ。
徳兵衛の薬を買う金を借りに出かけました。
ところがゴンゾウはその辺でもケチで無慈悲な男で源吉を追い返してしましました。
源吉は、これからどうしたらよいのだろう・・と帰っておると目の前に白いヒゲの老人が現れました。
老人はふところから、古い下駄を取り出してきて、こう言いました。
この下駄を履いて一回転べば、小判が1枚出る。
お前の必要な時、必要なだけ小判をだして使うがよい。
・・ただし、欲をだして必要以上に使うとお前の体はそのたびにどんどん小さくなっていってしまうぞ。気をつけなさい。
源吉は、喜んでその下駄をもらってうちに帰りました。
-つづく-