※鹿児島の昔話
昔話と聞くとたいていの人はファンタジーを想像します。たしかに伝えられてる大半の昔話はそれですが、このお話は史実に基づいた昔話。実在した人物のお話。
薩摩の国を守っていた島津のむすめさんのお話です。
昔、鹿児島がまださつまと呼ばれていた時代。
この国をしまずの殿様が守っていました。
その娘にじめい様という娘がおりました。
さつまの国はあまり裕福ではなく、とのさまの娘のじめい様も農民たちと一緒に畑仕事をしていました。
南国の薩摩は太陽が元気で、男も女もこんがりと焼けておりました。
あるとき、じめい様が畑仕事を終えて帰ろうとしたとき、
公家の人とすれ違ったときにじめい様の顔をみて大笑いされてしまったのです。
としごろのじめい様は、とても傷ついて、お城に閉じこもってしまいました。
お殿様もお母様もじめい様を慰めますが、きいてくれません。
そこで、お殿様はじめい様を喜ばせようと結婚相手を募集しました。
薩摩全国にお触書をだして、浪人だろうと農民だろうと身分も問わない・・・というのです。
これは出世の大チャンス!!・・ということで、お城はお婿さん候補で毎日行列ができていました。
しかし、会う人・会う人・・・みんなにじめい様は笑われてしまったのでした。
-つづく-