※正しい宗教と信仰
・信仰はなぜ必要なのか
一般に信仰とは、お年寄りが一種の精神修養や先祖を敬いつつ、なごやかな楽しみの場をもつために、お寺に参詣し、ときには団体旅行をすることぐらいの認識しか持ち合わせていない人が多いようです。
あるいは困ったときに、神仏の加護を求めて参詣し、手を合わせて、願をかけ、守り札などを大事にすることが、信仰だと思っている人もいます。
しかし、正しい宗教を信仰する目的は、一人ひとりの人間の生命の救済、つまり生(しょう)・老(ろう)・病(びょう)・死や、経済的な苦しみや対人関係の悩みなどを含む、
人のいかなる苦悩にも打ち勝つ活力を与え、人々に「真実の幸福」を築かせ、尊い人生を全うするための生き方を教えるところにあります。
したがって、正しい宗教の持つ働きは、単なる精神修行や気休めではないのです。
正しい信仰は何よりも人間の全生命の問題と、その生き方、
人の幸・不幸にかかわる、実に重大な意義と働きと価値を持っているのだということを知っておいてください。
数ある宗教のなかにあって、一時の気休めや現実からの逃避ではなく、真に一切の人間の苦悩を喜びに変え、
大難を乗り越えて、「煩悩」を「菩提(ぼだい)」へ。
「生死（しょうじ）」を「涅槃（ねはん）」へ。
「娑婆（しゃば）」の忍土(にんど)を「寂光(じゃっこう)の楽土(らくど)」へ転換させうる仏法こそ、日蓮大聖人の教えなのです。
では、正しい信仰にどのような功徳が具わるかといいますと、
・世界中の一切の人々を、真に幸せな即身成仏に導くことができる。
・強盛(ごうじょう)な信仰をとおして、ご本尊に託する願いや希望を成就し、また、悩みや苦しみに打ち勝つ金剛心(こんごうしん)を育てることができる。
・ご本尊に具わる題目の功徳によって、父母を救い、先祖代々の人々を成仏させ、また未来の子孫をも救済する福徳を得ることができる。
などがあり、そのほかにも正しい信仰の功徳は数多くあります。
日蓮大聖人は、妙法(南無妙法蓮華経)を信受する功徳について、
「南無妙法蓮華経とだにも唱え奉（たてまつ）らば、
滅（めっ）せぬ罪(つみ)や有るべき、
来たらぬ福(さいわい)有るべき。
真実なり甚深(じんじん)なり、是(これ)を信受すべし。」
と教えられています。
(日蓮大聖人がのちの世のために残された、戒壇のご本尊。
南無妙法蓮華経如来様の姿と、それに付き従う多くの菩薩、
法華経を伝える者を守る契約を交わした諸天善神を記した曼荼羅のご本尊を拝し、その名である南無妙法蓮華経を唱え繋がることで、
その者の背負っている過去世からの罪障の消滅と、
その功徳は繋がっている家族や先祖にも伝わり成仏し、
功徳は大地にも伝わり、仏国土へと変わっていく・・・ということです。)